彦ちゃんの河内歴史話井戸 第81話
「人間は考える葦(あし)である」。老いは足から。
一度は耳にしたことのある「人間は考える葦である」。フランスの哲学者・パスカルの言葉。葦は水辺で目にする細〜い植物のことで、「人間は自然の中では葦のように弱い存在である。しかし、人間は頭を使って考えることができる。考える事こそ人間に与えられた偉大な力である」ということらしい。
当記念館に来られる方は何がしかの質問をされますが、調べてから来る方と全く調べずの方が半々です。返答で一番、がっかりするものに「聞いた方が手っ取り早い」があります。これって実に勿体ない。
さて、私は路地裏歩きが好きですが、葛井寺観音の帰り道に見つけたのがご紹介する在原業平邸跡の石柱(写真)です。75㎜角×高さ870㎜(+突起部)と細く、しかも隅に在りますから本当に見落としやすいです。
わかりやすく書くと、駅から大阪府藤井寺保健所方向に線路沿いを歩くと右手に住友生命の看板が見えてきます。その住友生命藤井寺ビル横の道から右奥を観て下さい。先に黒い鉄扉が在ります。その右脇に立っていますよ。
見つけにくいうえに驚くのが、この碑には正面の在原業平邸跡以外に文字は無く、建碑した方や建碑の年月日、その謂れが分かりません。不思議ですわ〜。
そこで調べましたが「平城天皇の皇子阿保(あぼ)親王が伽藍を修復、次いで親王子息の在原業平朝臣によって諸堂が造営されました」的なことがいくつか見つかりました。読者にお詳しい方が居られましたら教えてくださいね。
ただ、私には在原業平さんより阿保親王(一品皇子)の方が気になりました。この方が毛利家の遠い祖先となります。毛利家の家紋は「一文字三星」ですが、「一品(いっぽん)」をデザイン化したものです。
今年も大いに足を使ってネタを探して考えます。
天誅(忠)組記念館
☎090-5010-3995(予約優先)
藤井寺市小山5-8-33 テックハイム小山1階
10:00~12:00、13:00~16:00
水曜休/賽銭・カンパ方式