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まちまるしぇ 主宰 北口将基さん・景子さん no.207

今月の人
モノがあふれる時代だからこそ、心のこもったモノを見直したい。第5回「まちまるしぇ」で、人やモノと素敵な出会いをしてください
まちまるしぇ 主宰
北口将基さん・景子さん
北口将基さん 羽曳野市生まれ。羽曳野市在住。 革小物作家。(Instagram/buonsole) 北口景子さん 奈良県生まれ。羽曳野市在住。 アクセサリー作家。(Facebook/cameorolepage) ともに美術館めぐりや旅行、音楽が趣味。愛娘は現在2歳。 https://machimarche.jimdo.com/
北口将基さん・景子さん

夫婦ふたりで立ち上げたイベント。
作り手との交流を楽しんでほしい

 

 見るだけでも心がウキウキするハンドメイド品や、南河内産の新鮮野菜&果実、そして何よりいきいきとした表情で集まる人たち——。夫婦ふたりで立ち上げ、羽曳野市内で開催されてきた「まちまるしぇ」は、次回の開催日が待ち望まれるほどの人気を集めている。

 第1回は2016年に「リックはびきの」にて25店舗の出店でスタート、そして今年11月11日に行われる第5回は、なんと77店舗を集め、羽曳野・峰塚公園(芝生広場)で開催される。

 主宰者は北口将基さん、景子さんのご夫婦だ。「モノが溢れる時代だからこそ、時間をかけて作られた心のこもったモノを見直そう——というのがコンセプトです。まちまるしぇがそんな一つのきっかけになれたらと思っています」

 じつは将基さんは革小物作家、景子さんはアクセサリー作家と、おふたり自身もハンドメイドでものづくりをしている。「とはいえ、出会った時はお互いものづくりはしていなくて。私はもともとアパレルのデザインをしていたのですが、結婚を機に退職、自宅でアクセサリーを作るようになりました」と景子さん。将基さんも結婚後に自宅でできる趣味を……と革小物を開始。そして、いつしか大阪市内で開催されている「アート&手づくりバザール」や「芦原橋アップマーケット」などに出店するようになる。「素敵な作家さんや若手農家さん、飲食関係者たちと出会いました。そして、こんな素敵な方々の作品や技術を知って頂けるイベントをいつか地元の羽曳野で開催したいという思いも膨らみ始めました」

 まずは親しい作家仲間に声をかけ、自宅を会場に小さなマルシェを開いてみた。「そういったかたちも温かな雰囲気でよかったのですが、自宅が会場だとプライバシー面から宣伝もしにくくて。できれば野外、緑のある場所で開催したいなと思いました」

 しかし当時はまだ、個人に公園を貸し出すという制度が羽曳野市にはなかったという。そのため、会場に選んだのは「LICはびきの(羽曳野市立生活文化情報センター)」。そこで第1回の「まちまるしぇ」を開催した。ひらがな表記にしたのは、小さな子どもにも読めるようにという思いから。また、出店者は公募制ではなく、地域の人に知ってほしいと思える丁寧に大切にものづくりをしている作家仲間たちに声をかけ、25店舗が並んだ。

「不用品のリサイクルではなく、ものづくりに触れてもらうのが趣旨なので、フリーマーケットとは線引きをしたかったんです。量産品ではなく時間をかけて丁寧に作られたものに触れていただき、さらにその作り手とのコミュニケーションも楽しんでもらいたくて」と将基さんは話す。

 

 

石川河川敷に店舗がずらりと並ぶ、
南河内全体でコラボするマルシェが夢

 

 1回目が好評のうちに終わると、「次はいつ?」と聞かれ、「あ、次もやらなくちゃという気持ちにさせられました(笑)」。そして、野外で開きたいという思いは行政にも届き、個人であっても市民に有益な目的であるならば公園という空間を活用できることになった。

 そして2回目の会場に選んだのは、翠鳥園遺跡公園。ここは石器や石のかけら約2万点以上が見つかっている、古代のものづくりの現場でもあった公園だ。この場所で第2回から第4回までを開催。第4回では出店数も50店舗以上にまで増加した。

「ありがたいことに回を重ねるごとに多くのお客さまにお越しいただけるようになりました。第5回はいよいよ、当初からの目標だった峰塚公園に会場を移し、出店数も77と過去最大を予定しています」

 お気に入りのものを見つけてほしいと思うだけでなく、店主さんたちとの会話を大いに楽しんでほしいというのが二人の思い。「僕らは場を提供するだけで、始まってしまえば出展者の方々やお客さま同士で作品を通して会話を楽しんでいただけたら。そして、その会話を通じて、暮らし方、ものの見方、夢の描き方、そういったもののヒントを感じとってもらえたらうれしいですね」

 おふたり自身が作家でもあるため、イベントの運営にも作家視点での「あったらいいな」が盛り込まれているという。

「やはり大変なのは搬入と搬出。お一人での参加となるとものを置いてその場を離れづらいので、そういった点をボランティアさんに助けていただいたりしています。また、朝から夕方までの長時間になると気持ちにメリハリをつけるのが難しくなることもあるので、途中にダンスや音楽などのステージイベントを挟んだりもしていますね。お客さまにはもちろんですが、出店者さんにも楽しんでもらいたくて」

 これほどまでに大きくなったイベントなのに、基本的に夫婦ふたりで切り盛りをする。「でも、やりたかったことなので大変だとは思わないですね。楽しみながらやっています」とおふたりはニッコリ。

 将基さんはフルタイムの会社員、景子さんも再びデザインの仕事を始めた。「僕は平日は仕事があるので、土日にものづくりをしたり、まちまるしぇの企画をしたりしていますね。チラシのデザインは妻が担当していますが、一緒に暮らしているので情報共有や意思疎通がしやすいのが強みかもしれませんね。でも、僕たちふたりも、イベントがここまで大きくなるとは思ってもいませんでした(笑)」

 ブース割の作業では、木々が多くて直線で割れないなどの苦労もあったり、つけたはずのマーキングが風で飛んでしまったりというハプニングも経験してきた。「当日もバタバタしていますが、出店者さんも協力的な方ばかりで助けられています。『飲食店は日当たりも考えたほういい』というアドバイスもいただいたり、気づかなかったこと、知らなかったことも教えてもらえ、回を重ねるごとに私たちが学ばせてもらっています」

 やって来るお客さんも「丁寧に作られたいいものを長く使っていきたい」「体に良い材料で手作りされたものを食べたい」「好きな作家さんの感性が光る一点物と出合いたい」……と、ふたりが届けたかったメッセージを共有してくれている人が多いと感じるという。

「これまで、イベント後にほぼゴミが落ちていなくて、そこにもとっても驚きました。ものを大切に考える方々はマナーについてもちゃんと考えていらっしゃるんだなあと感動しています」

 第5回は77店舗が出店する、「まちまるしぇ」史上最大規模のイベントとなるが、その先の目標というのもすでにある。

「石川沿いの河川敷を会場に、富田林、羽曳野、柏原……と地域をまたがってマルシェがコラボできたらいいなと思っているんです。それが南河内の名物の一つになり、地域がより盛り上がるといいなと。地元には、こんなに素敵な思いをもって活動している人たちがいるんだということを知り、実際に会話をし、つながっていけたら素敵なことだと思うんです」

 ものを通して会話を楽しみ、ヒントをもらい、自分の日々の生活を少し豊かにしていく。ここ南河内でぜひそんな体験をしてみませんか。

(取材・文  松岡理絵)

 

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