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楽しい服やさん。レディーノーム 店主 渡邊礼子さん no.217

今月の人
香芝の人気セレクトショップが開店25周年。いつ訪れても楽しい出会いのあるお店
楽しい服やさん。レディーノーム 店主
渡邊礼子さん
1957年生まれ。和歌山市出身。奈良県香芝市在住。 趣味はゴルフ、ワイン、気学。
渡邊礼子さん

二上山駅から徒歩すぐ
個性豊かな洋服、靴、バッグが並ぶ

 

 近鉄二上山駅から徒歩2分。二上山の稜線を間近に望む静かな住宅街に、ひときわ目を引く洗練された3階建ての建物が見えてきた。

 奈良県香芝市にある「楽しい服やさん。 レディーノーム」は、渡邊礼子さんが店主を務めるセレクトショップ。清廉な白い外壁、そして、しゃれた鉢植えや小物が玄関周りをセンス良く飾り、店内に入る前から胸が弾む。

 そして、「こんにちは。どうぞ!」とほほ笑む渡邊さんの柔らかな表情や語り口も、訪れた人を一瞬で和ませてくれる不思議な力があるかのよう。お店へと一歩入ると、ロマンチックな雰囲気の中に趣向を凝らしたディスプレイの数々が目に飛び込む。目を輝かせながら店内を見渡すと、洋服、バッグ、帽子、靴……と、大人の女性が安心して身に着けられる、上質かつデザイン性の高いアイテムが並んでいる。「楽しいもの、ユニークなもの。見て、使って元気になれるものを集めています」と渡邊さん。履くだけで出かけたくなるトリッペンの柔らかなフォルムの靴、着るだけでポジティブな気持ちになれそうなカッティングが美しいシャツ、木や帆布など個性豊かな素材でしつらえた個性派バッグ……。上質であることはもちろん、ファッションを通じて日常やお出かけをさらに気持ちよく過ごせそうなモノばかり。そんな品々が並ぶ空間と、渡邊さんの人柄に魅了されたお客さんたちが、車や電車に乗ってここまでやって来るというのも納得だ。

 そうして「レディーノーム」は長年愛され、この9月でなんと25周年を迎える。四半世紀にわたってファンを魅了し続けてきたことに、渡邊さんは「人に恵まれたからです。お店を立ち上げる時に協力してくれた友人、ファッションのことを教えてくれた人、ずっと通ってくださっているお客さま、片腕のように手伝ってくれる姪っ子のさっちゃん、、仕事で携わるすべての方々、本当にすばらしい人ばかり。その方たちのおかげで25周年を迎えられます」と話す。

 

いつ来ても楽しんでもらいたい
多彩なイベントも企画

 

 

 もともと渡邊さんは、小さな広告制作会社にグラフィックデザイナーとして就職。キャリアを重ねるなかで、「37歳の時、ふと将来のことを考えたんです。すると、この仕事での自分の将来はもうなんだか先が見えているような気がしてきたんですよね。次に何をしようかと思いあぐね、会社勤めではなくて、自分のしたいことができる自分のお店を開きたいなあという思いが沸いてきたんです」

 そうしてお店の場所を探し始め、実姉の家にも近く、ちょうどよい規模の物件が見つかったのが奈良県香芝市のニュータウン、真美ケ丘。会社を退職し、この場所に1994年9月、「ノーム真美ケ丘」を立ち上げた。「ノーム」とは友人が展開していたファッションブランド名。「彼女のブランドのロゴや名刺、チラシといった制作物のお手伝いをしていた縁もあって、お店の立ち上げ時はそのアイテムを多く並べていたんです」。ノームのアイテム以外にも、今でこそ人気のドイツの靴ブランド「トリッペン」も、20年前からすでに取り扱っていた。ちなみに「ノーム」とは、北欧の森の妖精のことで、その妖精は種を撒いて糸を紡いで服にするという。

 また、最初につけたお店のキャッチコピーは「いつも楽しく、いつも新鮮」。都市部まで行かなくても香芝市のこの店で新しいアイテムに出会え、日々の元気につなげられるようなお店にしたい、そんな願いを込めた。

「その頃の日本はバブル崩壊や阪神淡路大震災などで大変な時期ではあったんですけど、ニュータウンはまだ元気があるほうでした。都市部まで行かなくても、ここで楽しい気持ちになれる個性的な服や雑貨が見つかると多くの方に喜んでいただいていました。イベントもいろいろと企画しましたが、10年も経つとその勢いも陰り、何か変えていかなくちゃと感じ始めたんです」

 家賃も大きな負担になっていたことから、渡邊さんは引っ越し先を探し始める。そうして見つけたのが現在の場所。うそのようだが、当初はこの建物は古めかしい2階建ての倉庫だったという。「でもリフォームするとおしゃれな建物になったんです(笑)。何かイベントができたらいいなと思って屋上も増設。商品のラインナップも、移転後はさらにバリエーションを増やしました」

 2006年5月に現在地に移転し、店名には愛するペット(鳥)の名「レディ」を加え、「レディーノーム」に。「お店のロゴもレディを一筆書きしたものなんですよ。お店に関係するデザインはほぼ私。できることは何でも自力でやってます(笑)」

 モノの販売だけではなく、楽しい時間の提供もしようと1階店舗だけでなく2階のフリースペースも使って企画展も多彩に企画。たとえば、器展、人形展、アクセサリー展、靴展など。作家さんは知り合いの紹介のほか、見かけた作品が気に入れば自分で直接連絡を取って会いに行くこともあるという。また、ストレッチ、気学、顔ヨガといった教室のほか、5月には建物全部を使うマルシェ「ソラトヤマ」、8月はにはお客さんを招いて屋上で花火&バーベキュー、11月にはワインパーティなども実施。

「ここに来れば何か新しい発見や出会いがある、そんなお店でありたいというのは創業当時の思いとまったく変わっていません。時代とともにお客さんが求めることも変わるので、今は何が喜ばれるのか、それを常に考えています」。

 20年来の付き合いというお客さんも少なくない。赤ちゃんの頃から知っている子が成長して結婚してやってきてくれることもあるという。「お客さんとともに年月を重ねてこられたことも幸せですが、そのお子さんの成長も見られることもうれしいんです。それは長く続けてこられたから経験できる喜びですね。『こんな服を探している』というお客さんと一緒にどんな服がいいかを悩み、選んだ服を喜んでもらった時もうれしいですし、こんな楽しい仕事をしながら、毎月の諸々の支払いを滞りなく済ませられた時も本当にうれしいかな(笑)」。

 そして、「さて、この先どうしましょうか」とチャーミングな笑顔を見せる渡邊さん。9月の25周年に向けて、いろいろなアイデアを練っているというからぜひお出かけを。

 

(ライター  松岡理絵)

 

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