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「ステーキレストラン 千一夜」オーナーシェフ 坂ノ上卓也さん no.220

今月の人
週末にはフルートやマリンバなどの生演奏。 赤ちゃんも大歓迎!の一軒家ステーキレストラン
「ステーキレストラン 千一夜」オーナーシェフ
坂ノ上卓也さん
「ステーキレストラン 千一夜」オーナーシェフ 坂ノ上卓也さん 1969年、富田林市生まれ。富田林市在住。趣味は食べ歩き。ジャンルを問わず、地域の新店にはできるだけ足を運ぶという。
坂ノ上卓也さん

シェフ自ら選ぶ上質な肉のみを使用。
有機野菜や古代米ほか、食材も厳選

 

富田林・金剛伏山台の閑静な住宅街に、遠方からもお客さんが訪れる一軒家レストランがある。その名も「ステーキレストラン 千一夜」。まるでアラビアンナイトの一幕の如く、お店に一歩入った瞬間から少し特別な気持ちになれる、そんなレストランだ。

「ここでお店をオープンさせていただいて、もう16年。当初からのお客さまがお子さまやお孫さんをお連れになるなど、3世代でお越しくださるようにもなってきました」と、オーナーシェフの坂ノ上卓也さんは穏やかな笑顔を見せる。

 誕生日や結婚記念日、大切な会食や子どもの帰省時……、このレストランではそんな特別な時間をシェフが誠実に作り上げるディナーとともに過ごすことができる。ディナーはメインを選べるコース仕立て。前菜の盛り合わせ、スープ、メイン……と、一皿一皿が順にテーブルへ。メインは、国産ヘレや黒毛和牛サーロインだけでなく、入荷状況にもよるが〝幻の肉〟と呼ばれる希少なシャトーブリアンもオーダー可能だ。また、メインにはロブスターのほか、子どもも食べやすいハンバーグやエビフライなどステーキ以外も用意されているので、ファミリーで訪れた時にもありがたい。

「お肉はそれぞれ、産地ではなく刺しの入りかたなど、つねにその時に手に入る上質なものを選ぶようにしています」と坂ノ上シェフ。ここではお肉はもちろん食材すべてを、シェフ自らが厳しい目で吟味するという。野菜は契約農家から仕入れる有機栽培のもの、お米はビタミンやミネラルが豊富な美原産の古代米、ステーキをおいしく食べるために欠かせない塩は玄界灘産、柚子胡椒は大分県産……と、どれもこれまでの経験の中から選んだものだ。「お客さまは、決してお安くはない値段を払って当店へお食事に来てくださっています。そのお客さまから、『おいしかった』『いい時間を過ごせました』と笑顔で言っていただけた時には、私も心からうれしい気持ちになります。いつもそんな笑顔を思い浮かべながら、仕入れに行き、厨房に立っているんです」

 ホールで接客を担当するのは妻の桂子さん。にこやかな笑顔と細やかな気配りで、レストランでの時間をさらに居心地よくしてくれると評判だ。前職の百貨店勤務で培った上質なサービスが、ここでも活かされているという。「オープン当初から、当店は赤ちゃんやお子さまも大歓迎。私たちも子育てを経験していますから、周囲のお客さまやお店の人に気を使いながら食事をすることの大変さを知っています。ですから、このお店は赤ちゃんが泣いても気にせずお食事を楽しんでいただけるお店にしたかった。赤ちゃんが泣き止まない時は、私も夫も手の空いているかぎりは抱っこしたり、あやしたり、子守りもお手伝いさせてもらっています(笑)」。つい先日も、シェフ自ら赤ちゃんのお相手をしたという。「その間、お客さまには一息ついてお食事をしていただけました」

 

 

塩辛くない、特製生ハムが大好評。
地域貢献、子どもの職業体験も実施

 

坂ノ上シェフが料理の道へ進んだきっかけは何だったのだろうか。

「小学生の時、誕生日に連れていってもらったお寿司屋さんがとても印象的で。お店の人が目の前で、巧みにお寿司を握って出してくれたのがとてもカッコよかったんです。そしてそれがとてもおいしくて感動したんですよね。カッコイイうえに、食べ物で誰かをこれほど感動させられるなんてすごい、と。そこから、将来の夢は料理人。以降、まったくブレることはありませんでした」

 高校卒業後、辻調理師専門学校に通ったのちにいよいよ料理の道へ。最初は大阪市内の老舗フレンチレストランで現場を学んだ。「寿司店という目標を持ちつつも、さまざまなジャンルの料理を学んでいろいろなことを吸収できたらいいなと考えていました。ここでは厨房に入らせてもらえるまで、ホールの仕事を2年間経験するのですが、実際にお客さまと接したことは料理をする際にも大いに役立ちましたね」と振り返る。その後、料理の現場をいくつか経験しているうちに、〝ステーキ〟の専門店と出合う。「お客さまの目の前で焼き上げるスタイルというのは、少年時代の寿司店で体験した感動と重なるところがありました。いつか自分でお店をもつなら、ステーキでお客さまに感動をしてもらうのもいいのではないかと考え始めたんです」

 ついに自分のお店を開こうと動き出したのがシェフが34歳の時。南河内エリアを中心に30件ほど物件を見て回り、巡り合ったのがこの場所だ。「16年前は、この辺りはまだまだ再開発の途中で周りには建物も住宅も本当に少なかったですね。でも、当時はまだ子どもも小さかったので、この一軒家の二階スペースに子どもがいられる場所があったことも安心でした」と桂子さん。

 そうして夫婦で力を合わせてのステーキレストランが幕を開けた。「でもちょうどその頃、国内で狂牛病が発生。お肉を扱う飲食店を取り巻く環境は良くなかったのですが、『今が一番の底。ここから下がることはない』と考えることにしました。牛肉というのは社会情勢にもさらされますし、波がものすごくあります。だけど、ステーキレストランとして、どんな状況であってもお肉の質は落とさないということを第一にしてやってきました」

 都心ではない、郊外の静かな住宅街の中にあるレストラン。「小さなお店だからこそ、ほかにはない工夫も取り入れています」というように、生ハムは量産品ではなく、工場にオーダーしてオリジナルのものを作ってもらっている。「丁寧に塩分調整をして塩辛くない生ハムに仕上げてもらっているので、これが食べたくてとお越しになるお客さまも多いですね」。また、週末の夜には、クラリネットやフルート、マリンバ、オーボエ、電子ピアノなどの生演奏も開催される。温かい雰囲気とおいしいディナー、そこに流れる清らかな音楽……。リピーターが多いというのも頷ける。

「オープンから16年。生まれたばかりのお孫さんを連れてきてくださったり、小学生だった子が『今度結婚するんです』と報告してくれたり、『大きくなったらここでアルバイトしたい』と言ってくれていた子が高校生になって本当にアルバイトに来てくれたり、お店で出会った方々の人生の一部に触れさせてもらえること、一緒に年を重ねていけることが、本当にうれしいんです。これからも、大切な時間を笑顔で過ごしていただけるお店であり続けられるよう、この場所で地道に頑張り続けたいと思っています」

 地域奉仕活動や小学生の職業体験の受け入れなど、地域貢献にも力を入れている。「アラビアンナイト/千一夜物語」のように、このレストランの物語はまだまだ未来に向かって続いていく。

(ライター  松岡理絵)

 

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