人口歯列11
前回お話ししましたように、総義歯(総入れ歯)の奥歯に並べる
人工歯(作り物の歯)の第一の役目は、義歯が落ちてこない、
外れないための働きを持たせることです。
「噛める」ということは、これが達成された結果なのです。
そのため奥歯の配列(並べ方)も昔から様々な研究が行われてきました。
まず基本になる考えとして、歯を抜いた後に傷が治ると、
歯茎はなだらかな丘のように盛り上がった形になります。
その盛り上がり付近に人工歯を並べると、
義歯がもっとも安定しやすい奥歯の位置になるという理論です。
ただ注意すべきは、上顎と下顎では、その盛り上がりの位置が
一致しないことも多い点です。
そのため、上顎と下顎の頂点を結んだ線を基準に人工歯を
並べる方法が考えられました。
これは歯科大学で義歯を学ぶ時に最初に教えられる、
「歯槽頂間線法則」と呼ばれ歯科医にとってはイロハのイとも
言える理論です。
しかし実際の患者さんでは、顎の形や上下の位置関係は
教科書通りでないことも多く、その場合どうするかが
義歯治療を難しくしているのです。

















